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意外と知られていないタンポン使用の弊害

Photo by Jennifer Rovero

Photo by Jennifer Rovero

男性はもちろん、女性にも意外と知られていないこと。女性の生理用品の「タンポン」について、使い方を誤ると片足を失ってしまう、命にも関わる危険性があるということ。そんな記事がありましたので紹介したいと思います。

タンポン使用の弊害 片脚を失った女性モデル

http://jp.vice.com/program/18540

 

突然の発症が怖い (以下、記事抜粋です。)

2012年10月3日、ローレン・ワッサーは体調の不良を感じていた。 生理中ということもあり、お気に入りのタンポン・ブランド「コテックス・ナチュラル・バランス」を求めて、スーパーマーケット・チェーンのラルフスに足を運んだ。

夜遅く、彼女はメルローズ・アベニューのthe Darkroomで行われていた友人の誕生日パーティーに顔を出した。「元気なフリをしたつもりです」とはいえ、その時点で、立っているのがやっとだった。「みんなに、具合がわるいのか、と心配されました」。彼女は車でサンタモニカに戻り、服を全部脱ぎ、ベッドに潜り込んだ。 とにかく眠りたかった。

ベッドに入ってから、どれくらいの日時を経たか、ローレンの記憶は定かでないが、威嚇するように吠え立てる盲目のコッカー・スパニエルを胸に抱きながら目 覚めると、 ドアを激しくノックする音と「警察だ!警察だ!」という叫びが聞こえた。ローレンは体をひきずりながらも、なんとかドアを開けると、警官が室内を調べるた めに入ってきた。 ローレンからの連絡がないことを心配した彼女の母が、娘のチェックを警察に依頼していたのだ。

「私は犬を散歩にも連れて行けなかったので、犬の排泄物が部屋中いたるところに散らばっていました」と彼女は振り返る。 どのくらいベッドにいたのかも定かでないし、それが昼か夜かすら思い出せない。 警察はその状況を目にして、彼女に母親に電話するよう伝えて立ち去った。

ローレンはやっとのおもいで、ほとんど空の冷蔵庫から、わずかばかりの人参を犬に与え、母親に連絡をした。母親は救急車を呼ぶか否かをローレンに尋ねた が、彼女は体調不良のあまり、その判断すらできなかった。「私は、ベッドに入りたいから、朝になったらまた母親に電話する」と母親に伝えました。 それ以降の記憶はありません」。翌日、母親はローレンの友人に、警官とローレンの様子を見に行くよう頼んだ。 彼らは、ローレンが寝室の床にうつぶせになっているところを発見した。

42°近くの発熱で、彼女はセント・ジョーンズに搬送された。 臓器不全に陥り、深刻な心臓発作に見舞われいたので、あと10分でも遅ければ命を落としていた。 感染症の専門医を呼ぶまで、彼女の身に何が起こっているのか、担当医にはわからなかったので、応急処置もなされなかった。専門医はすぐさま「患者はタンポ ンを使用していますか?」と質問した。彼女は使用しており、それを検査にまわすと、トキシック・ショック症候群の陽性反応が出た。

1978年に名付けられたトキシック・ショック症候群(以下TSS)は、細菌感染による敗血症で、一般に約20%の人がその細菌を保持しているといわれ る、黄色ブドウ球菌が生産する毒素によって引き起こされる。 女性だけに起こる症状ではないが、タンポン使用と発症には浅からぬ関係があるようだ。発症者はタンポン使用以前に、黄色ブドウ球菌を体内に保持しているの で、一概にタンポンが原因とはいえないものの、1980年代に急増したTSS関連死の一因であることは疑いない。

 

※TSS トキシック・ショック症候群 とは

トキシックショック症候群(TSS)とは、非常に短い時間で重篤な病態を引き起こす敗血症の一種です。
※敗血症とは、細菌感染症の全身に波及したもので非常に重篤な状態であり、無治療ではショック、DIC、多臓器不全などから早晩死に至る。

以下、参考で読んでみても良く分からない事が多いですが、無理やり要約すると、黄色ブドウ球菌というバクテリアの一種のうち稀に毒素を産生するものがあり、それによって、重大な感染症になる。ということです。

参考 一般社団法人 日本衛生材料工業連合会
http://www.jhpia.or.jp/standard/tss/tss1.html

 参考 ユニ・チャーム
http://www.unicharm.co.jp/tampon/tss/index.html

 参考 MSD株式会社
http://merckmanual.jp/mmpej/sec14/ch171/ch171e.html

 

そして片足を失う (以下、記事抜粋です。)

「私のお腹は大きく膨れ、体の至る所からチューブが出ていました。 私は話すこともできませんでした」とローレンは話す。ベッドの隣には、彼女の血流から吸い出された、黒い毒素のチューブがあった。 彼女は病室から外を眺め、もうろうとしながらサウス・ウェストのことを思い出していた。 浮腫んだ体は自分のモノとはおもえなかった。 「私は食事を過剰に与えられたのかと疑った」彼女には「何が起こっているのか全く分からなかった」。

見当識障害よりもはるかに悪いことに、手足には灼熱感があり、何をしても治まらなかった。 感染により、壊疽してしまったのだ。 3年後、ロサンゼルスのコーヒーショップで彼女が語ったところによると、ローレンはその時も当時の感覚をうまく説明できなかったそうだ。「今までに味わった何よりも耐えがたい苦痛で、どのように伝えたらよいか分かりません」。 高圧酸素療法のため、彼女はUCLAに救急搬送され、高圧治療装置で、血液が足に流れるよう治療が施された。

ローレンが部屋でひとり、診察を待つ時間があった。 母親と代父は、少しのあいだ席を外し、彼女は大きな椅子に座っていた。その部屋にはカーテンがあり、カーテン越しに、女性が誰かと電話しているのが聞こえた。 女性は会話の中で、何事か緊急事態を相手に告げている様子だった。 「24歳の女性患者がいるんだけど、右の膝下を切断しなければならなそう」

「私のことだ、とわかりました」。彼女は確信した。「私は脚を失ってしまうんだ」

 

※タンポンが悪なのか?

記事にも書かれている通り、「一概にタンポンが原因とはいえない」とのことです。しかし、「タンポン使用と発症には浅からぬ関係があるようだ。」と書かれています。私も気になって、スーパーでタンポンのパッケージを確認しました。どのパッケージにもTSSの危険性について書かれていました。つまりタンポンを作るメーカーも可能性は認めているということだと思います。

また記事には、タンポンの素材についても書いています。

 

科学繊維の影響 (以下、記事抜粋です。)

タンポンとその類いの生理用品は、ここ何世紀ものあいだ女性に利用されている。しかし、ここ50年ほどで、Playtex、Tampax、Kotex、などのタンポンを扱う大企業はタンポンを、綿のような天然素材でなく、レーヨン、ナイロンなどの化学繊維で製造するようになった。 合成繊維はタンポンの吸収性を促進させたが、同時に、黄色ブドウ球菌が繁殖しやすい環境を生み出してしまった。 プロクター&ギャンプル社が80年代に「Rely」という強力吸収タンポンを発売すると、それがきっかけで、TSS発症が劇的に増加し、多くの関連死が発生した。 『Yale Journal of Biology and Medicine(生物学と医学のエール・ジャーナル)』に発表された研究結果によると、「Rely」のタンポンに含まれているゲル化したカルボキシメチルセルロースは、細菌が繁殖しやすい粘性媒質になり、培養基の働きをしてしまうそうだ。

フィリップ・M・ティエルノ医師はNYU医学校の微生物学と病理学の教授で、タンポンとトキシック・ショック症候群の関係について独自研究を行っているが、綿の方が安全であるという主張に賛成している。「ほとんどの主力のタンポンメーカーはタンポンにビスコース・レーヨンと綿の混合繊維か、ビスコース・レーヨン単体を使用しています。もし黄色ブドウ球菌の毒素産生菌が通常の女性の膣内細菌叢の一部だとしたら、どちらのケースにおいても、タンポンは毒素性ショック症候群毒素-1(TSST-1)の発生に最適な物理化学的条件を提供することになります」と説明する。「トキシック・ショック症候群は、女性が毒素に対して抗体を持っていない、もしくは抗体が少ない場合でも発症します。 タンポンの合成繊維が問題です。綿100%のタンポンであれば、たとえリスクがあったとしても最低限で済みます」

 

この記事が言いたいことは

タンポンの使用について正しい知識をを持ち、正しく使うことことによって、ローレン・ワッサーのような不幸な事例が二度と起きなけれ良いと思います。タンポンの使用方について、1人でも多くの女性にTSSの情報が伝わればと思います。

以下、ユニ・チャーム のタンポンの使用上の注意です。

使用上の注意
してはいけないこと

【1】再使用禁止

【2】トキシックショック症候群発症の可能性を軽減する為、次のことを守ってください。

(1)タンポンは連続使用しないで、ナプキンと交互に使用してください。
(2)1回のタンポンの使用は8時間を超えないでください。
(3)8時間以内の就寝の際にはご使用いただけますが、8時間を超える場合には使用しないでください。
(4)分泌物(おりもの)に異臭がある場合には、使用しないでください。

【3】アプリケーターが、保管や持ち運びなどで先がつぶれたり、割れたりしている時は、 怪我をするので使用しないでください。

相談すること

【1】発熱など次の症状の場合 TSSの恐れがありますので、直ちに使用を中止し、タンポンに同封の説明書を持って産婦人科など専門医を受診してください。その際、月経中であることを医師にお伝えください。
●症状の名称 : トキシックショック症候群(TSS)
●症状 : 突然の高熱、発疹・発赤、倦怠感、嘔吐、下痢、粘膜充血、血圧低下など

【2】万一ヒモがとれ、タンポンが取り出せなくなった時は、直ぐに産婦人科などでタンポンを取り出してもらってください。

【3】使用に際して不安がある方、過去TSS発症の経験がある方は、ご使用前に産婦人科などの専門医に相談してください。

保存方法について

タンポンは水漏れ、温度や湿度の高いところ、直射日光をさけて、箱に入れて衛生的に保管してください。また、香料、薬品、洗剤などと一緒に保管しないでください。商品に添付されている取扱説明書も必ず一緒に保管しておいてください。持ち歩く場合は、アプリケーターが変形するおそれがありますので、箱のままお持ちください。直射日光のあたる所に長時間置くと、アプリケーターが劣化して破損し、使用時に怪我をする可能性があります。湿気の多い所に長時間置くと、吸収体が湿気を吸って膨張し、挿入しにくくなる可能性があります。保管方法にご注意の上お使いください。

使用上の注意

【1】滅菌製品ですが、開封後は早めにご使用ください。なお、万一、個包装が破損している場合は使用しないでください。

【2】誤った使い方をしないでください。

・ヒモは切らずに体の外に出してください。
・タンポンは2本同時に使用しないでください。
・使用中のタンポンを取り出さずに、新しいタンポンを使わないでください。
・生理終了後には、最後に使用したタンポンを取り出したことを確認してください。

【3】産後8週間迄と出産後初めての生理時は使用をお控えください。

以上です。

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